夜間の LOAD が終わった翌朝、あるいは表スペース単位のリストアを流した直後に、その表スペース上の表へ触ろうとすると返ってくることがあります。データベースには接続できるのに、特定の表スペースの表だけが触れなくなります(更新は必ず止まります)。
SQL0290N Table space access is not allowed. SQLSTATE=55039
SQL0290N は表スペースが通常状態でないために閉じられている状態です。表単位の SQL0668N と症状が似ていますが、別のエラーです。この記事ではまず見る値と、症状からの逆引きを最短でまとめます。状態別の抜け方と実機での確認ログは末尾のZenn記事にあります。
まず見る(結論)
SQL0290N には理由コードが付きません。分岐は表スペースの状態(state)でしか分からないので、最初にやることは状態を取ることです。SQLが通るなら状態は文字列で読めます。接続できない場合は db2pd で16進の値を見ます。
# 表スペースの状態を一覧する(正常なら NORMAL)
db2 "SELECT VARCHAR(TBSP_NAME,20), VARCHAR(TBSP_STATE,24) FROM TABLE(MON_GET_TABLESPACE(NULL,-2)) AS T"
# 接続できないときは db2pd の State 列(8桁の16進)を見る
db2pd -d <DB名> -tablespaces
症状 → 原因 → 対処(逆引き)
| 症状 | よくある原因 | まず打つ手 |
|---|---|---|
| LOADの翌日から、その表スペース上の表が触れない(更新が必ず止まる) | アーカイブログ運用で LOAD ... COPY NO を実行し、表スペースがバックアップ保留(0x0020)になった |
表スペース単位のオンラインバックアップを取る(BACKUP DATABASE ... TABLESPACE (...) ONLINE) |
| 表スペース単位のリストア後、その表スペースだけ触れない | ロールフォワード保留(0x0080)のまま残っている |
ROLLFORWARD DATABASE ... TO END OF LOGS AND STOP TABLESPACE (...) ONLINE |
| ロールフォワードを流したのに解除されない | AND STOP(または AND COMPLETE)を付けずに終えた=ロールフォワード進行中(0x0040) |
AND STOP 付きで再実行して完了させる |
| リストアが途中で失敗し、以後ずっと触れない | リストア保留(0x0100)/リストア進行中(0x2000)で止まっている |
同じイメージからリストアをやり直して完走させる |
| ディスク/マウントを触った後から触れない | コンテナに到達できず表スペースがオフライン(0x4000) |
マウントと権限(インスタンスユーザーの読み書き)を戻し、ALTER TABLESPACE ... SWITCH ONLINE |
| 誰も使っていないのに触れない | QUIESCE を掛けたセッションが異常終了し、解除されずに残った(0x0001/0x0002/0x0004) |
db2pd の NQuiescers を確認し、QUIESCE TABLESPACES FOR TABLE <スキーマ>.<表> RESET |
| リダイレクトリストアの途中から先に進めない | SET TABLESPACE CONTAINERS の後、RESTORE ... CONTINUE が未実行(ストレージ定義待ち 0x1000) |
RESTORE DATABASE ... CONTINUE を実行する |
| 特定の1表だけが触れない(同じ表スペースの他の表は通る) | 表スペースではなく表の制限状態=別エラー(SQL0668N) |
SYSCAT.TABLES の STATUS/ACCESS_MODE を見る |
SET INTEGRITY も REORG も効かない |
表単位の対処を、表スペース単位の状態に対して打っている | MON_GET_TABLESPACE の TBSP_STATE を先に確認する |
状態を確定させてから手を打ちます。SQL0668N のつもりで SET INTEGRITY や REORG を打っても、表スペース側の状態は変わりません。なお状態が読める列は限られていて、SYSCAT.TABLESPACES と SYSIBMADM.SNAPTBSP には状態列がありません(後者で TBSP_STATE を指定すると SQL0206N になります)。使えるのは MON_GET_TABLESPACE と SYSIBMADM.TBSP_UTILIZATION です。
LOAD ... COPY NO
LOAD はデータページを直接書くため、その内容はトランザクションログに残りません。アーカイブログ運用でリカバリ可能性を保てなくなるので、Db2は対象の表スペースをバックアップ保留にして閉じます。ロード手順を変えていないのに、LOGARCHMETH1 を有効化した時点から急に出るようになるのがこの経路です。対処はバックアップ、予防は LOAD 側で COPY YES TO <path> か NONRECOVERABLE を明示することです。
それでも切り分からないとき(実機ログつきの詳解)
状態を表す16進値の全一覧、db2tbst で16進を状態名に直す手順(引数が常に16進として解釈される点を含む)、状態別の抜け方と SQL0668N との切り分けまで含めた詳しい解説は、Zennのフル記事にまとめています。
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Db2の「SQL0290N 表スペース・アクセスは許可されません」を状態から特定して抜ける ― LOAD後・リストア後に表が触れないとき
関連: SQL0668N 操作は許可されません(表の制限状態) / SQL0289N 表スペースに新しいページを割り当てられません / SQL0964C トランザクションログがいっぱいです
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